ライティングコンテスト
2019年11月05日
今年度より「読む力」・「書く力」・「論理的思考力」等の育成をねらいとしてライティングコンテストを行っています。講師には学研の河本敏浩先生をお招きし、各学年の時宜にかなった課題を設定、論述の方法や内容について評価や事後指導をしていただいています。
第二回に生徒が書いた文章を下に記載しています。この文章は他校生徒の文章と比べても非常に高い評価を得ました。構成や比較の仕方が非常に優れていることがわかります。第一回の事後指導を受け、生徒の取り組みが主体的な方向に向いた結果です。れいめいではこれからも様々な取り組みの中で、生徒の能力を育んでいきます。
私は、日本の社会保障制度について「大きな政府」にするべきだと考える。「大きな政府」とは、国民福祉を充実させるために、政府が積極的に経済へ介入し、財政規模が大きくなっている状態を示す言葉で、これを実施している国としてスウェーデンが挙げられる。そこで、何故日本は「大きな政府」にするべきであるかを、そのスウェーデンを例にして述べたいと思う。
スウェーデンは、消費税率が25%にするなどして、国民からの収入を大きくする代わりに、医療費や学費を無料にしたり、福祉を充実させたりして国民を保障している、いわゆる「高福祉・高負担」の国である。こういった制度をとることに至った背景として、国民の少子高齢化が挙げられる。スウェーデンは1980年代から、高成長から低成長に変わり経済成長率が伸び悩み始めると同時に少子高齢化も始まったのである。その影響で、当時現在の日本と同じ賦課方式の年金制度であったスウェーデンでは、現役世代だけでの年金ではまかなうことができず、国庫に負担がかかるようになった。さらに、1990年代前半にはマイナス成長期に突入した。そこで、年金制度を見直したのである。賦課方式から所得比例年金に変え、国庫の負担を減らし国民の負担が増えるかわりに、教育や福祉、医療などの社会保障を充実させることで、経済を回復させ「持続可能な」社会へと変わったのである。
当時のスウェーデンと同様、少子高齢化が始まり年金制度が懸念されている日本。スウェーデンの成功例に習い、年金制度の見直しや税率を引き上げ、国の社会保障制度を充実させる「高福祉・高負担」へ転換させ、「持続可能な」社会の実現を目指すべきである。そういう理由で、私は「大きな政府」にすることを支持しているのだ。
講師紹介 河本敏浩氏
医学部予備校 The Independent 代表、学研「My GAK」統括リーダー
東進ハイスクール元講師(河合塾講師兼任)
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