中学3年生 IB×保健体育
2025年09月30日
中学3年生・保健体育のIB試行授業(柔道)について紹介します。
重要概念は「発展」、関連概念は「改良」、グローバルな文脈は「個人的表現と文化的表現」です。
このユニットでは、生徒の思考を促し、概念型授業につなげることで、授業での学びをあらゆる場面に転移させることを目指して行っています。
ユニットの前半は、1年次に取り扱った投げ技「体落とし」「膝車」や、固め技「横四方固め」「袈裟固め」の復習です。実技の中で身につけた技を「ポイントは?」「うまく投げるコツは?」「返すコツは?」などの視点から自分の言葉で整理し、重要な概念を抽出していきます。
そこから、一般化(この学習によって理解できたこと、どのような学びが新しい状況に転移できるか)について考え、まとめる活動を行いました。
【生徒が作成した「一般化」】
- ●パワーで負けてしまう場合、相手がどう動くか予測して素早く動けるように改良すると、相手の袖や襟をつかめ、技を有効に使えるように発展させることができる。
- ●腕や足など一部分の小さな力ではなく、体の流れを生かした全身の大きな力を使うことで、より効果的な技をかけることができる。
- ●技を成功させるためには、支点を作ることが大切である。力が強い相手に対して、力で勝負するのではなく、相手の隙をついて効果的な角度から投げることが有効である。
理科で学んだことにつなげている生徒
- ●てこの原理のように、足を支点にすれば、小さな力でも大きな力を投げることができる。
CP(コミュニティプロジェクト)で「水問題(ろ過器作成)」に取り組んでいる生徒は、「水」の視点から表現していました。
- ●技は水をイメージした動きでないと決まらないと考える。水はすべてがつながっており、つながらなければどこかで植物は枯れてしまう。これは柔道の技にも通じ、すべての動きがつながらないと技は成功しない。だから技を決めるときは、水の流れをイメージすることが大事である。
サッカー部に所属する生徒は、サッカーと柔道の動きをつなげて考えていました。
- ●動きすぎると疲れるので、静止して相手が油断した隙に技をかける(サッカーのカウンターと同じ。)
足を置く位置、重心の高さを意識することが体の安定や、相手を崩すことにつながる。どのスポーツにおいても、下半身が大切で、重心を意識して相手の体重や遠心力を利用することにより、力を効果的に発揮させることができる。
このユニットを通して、生徒が柔道の楽しさや奥深さについて知る機会になり、ワクワク・イキイキするような「思考する授業」を目指して取り組んでいます!






















