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「なぜ英語をまなぶのか」
「なぜ英語をまなぶのか」

n 1830, nearly 125,000 Native Americans lived in the southeastern United States. But in 1838, they were forced to move west. Over 15,000 Cherokees walked to Oklahoma in the dead of winter. About 5,000 seem to have died. Their descendants are now the Cherokee Nation.

この45文字で構成される文章からどんなことが読み取れるでしょうか。
文理科2年生の1学期で扱う文章です。

【1830年には、125,000人近くのネイティブアメリカンが米国南東部に住んでいました。しかし1838年、彼らは西に移動することを余儀なくされました。真冬に、15,000人以上のチェロキー族がオクラホマに行きました。約5,000人が亡くなったようです。彼らの子孫は現在のチェロキーネーションです。】 こちらは上の文章を翻訳機能にかけたときの日本語訳です。 日本語訳は完璧です。

上の文章には、私が考え付く限りで、英語・現代文・歴史・地理・数学・古典・理科・保健体育の教科が関わっています。まず地理的状況として、アメリカ南東部からオクラホマまで2,000kmあります。古典で出てくる宿の2地点間は30~40kmほどですから、人が1日に歩くことができるのはそのくらいです。単純に割り算をすると、少なくとも50日はかかりますね。また、自動車が発明され普及したのは1900年代。自動車が普及する前のことですから、道路の整備はまだです。舗装されていない道路を歩けば脚に負担がかかります。さらに、この地域の冬(1月)の最高気温は9℃、最低気温は-1℃です。人が凍死してしまうのは屋外では0~5℃、屋内にいても外気温が0~11℃の時だそうです。were forced to moveという表現からも、泣く泣く故郷を離れざるを得なかった状況が読み取れますね。この方々が亡くなってしまった原因が少し見えてきたでしょうか。どれだけ辛いことを強いていて、それでも生き延びるためにどれだけの覚悟を持って、移動をする決断を下したかが感じられたでしょうか。

文理科の生徒が一人一台のiPadを持って授業を受けるようになってから、2年目を迎えました。導入初年度の昨年は「なぜ英語を学ぶのか」を考え続けた1年だったように思います。
翻訳機能の精度は上がり、教科書の本文も翻訳をかければ日本語訳が簡単に出てくるようになりました。日本語で言いたいことを打ち込むと、英語に直してくれるようになりました。
では、なぜ英語を学ぶのでしょうか。それは、人によってもバラバラだけれど、わたしは生徒たちに自分の言葉を大切にしてほしいと思います。また、知識を体系的に理解する、考え方を手に入れる、そういう経験をぜひ英語の教科書を使って、繰り返して欲しいと思います。

調べて得た知識をどう活かすのかについては、インターネットには載っていません。自分自身でひたすらに悩んで、考えて、周囲の人と意見を交わして、そういう経験を通してやっと身につくことです。
iPadが得意なことはたくさんあります。個々に合った学び方ができます。授業では、取り組む課題にヒントをつけ、資料箱に準備しています。自分の理解度に応じて資料を引き出して取り組めます。また、リスニングでは自分の習熟度に応じて流す速度を変えることが可能です。スピーキングだって、個人で録音したものを教員が聞いてアドバイスができます。オンラインで海外の方とつながって、実際に英語を使う経験もできます。そういう長所をどう活かすのか。身につけた知識や技術で何をするのか、何を話して表現するのか。先生方や生徒と一緒に、まだまだ考えていきたいと思います。

【この記事を書いたひと】

吉田 早紀 (文理科 2 年副担任 / 英語科)

好きな任天堂作品: スマブラ
好きな米製品: お団子
趣味: 読書を趣味にしたいと思っている

主に文理科の英語を担当。的確で誠実な指導で、
生徒職員からの信頼を得ている。
 出水市米ノ津出身。米ノ津は鹿児島県内でも有数
の都会であると信じている。