れいめい中学校・高等学校

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「英語の授業って何のため?」
「英語の授業って何のため?」

工学科のとあるクラスの授業にて…
「英語, 俺は将来使わないよ」 「日本から出ないから英語はいらない」
小言ながらも聞こえてきます。英語の教員として実に悔しい。

でも, この発言は的を射ている部分もあると思います。 身近に英語を使っている大人なんて探しても学校の英語の先生くらいだと思いますし, その英語を使う身近な大人の人が英語を使っている場面も実に限られているように感じられて仕方がないと思います。文理科や中学校の生徒も, 実際のところはテストで点数をとるために一生懸命英語を勉強しているわけで, 授業でもいざ英語を話すとなるとなんかちょっと違う気が… 

でもこれからの英語の授業や世の中の英語に対する意識って間違いなく変わっていきます。 英語を喋ることがもっと, ずっと身近なものになっていくかもしれない。今回はそんな話ができればよいと思っています。

私自身, もともと英語は好きな方ではあったが, テストのために勉強する英語学習ばかりでは到底続かなかったと思います。
「学校文法の英語」はより「生きた英語」の方が好きで, 大学時代に留学生と交流するボランティアサークルの活動に参加したとき, コスタリカの留学生も, 中国人の留学生も, 我々日本人も, 多少なりとも英語ができれば意思疎通が図れることを体験し, 英語を学ぶのはこんなにも楽しいんだ, と実感できました。英語を話す活動の面白さをもっと共有できれば, と感じたことが教員を志す原始体験だったのだと思います。

私が担当しているクラスでは英語が苦手な生徒も多く, どうすれば面白い授業ができるだろうか, と日々考えています。基本的に満足のいくような授業はできないですが…
その中でも強いて言えば好感触だったものを一つ紹介します。

’Jeopardy’ というアメリカのクイズ番組をモチーフにゲームをしたことがあります。 日本でいうところのクイズ・ミリオネアです。

この写真は世間でも良く聞く5W1H, いわゆる疑問詞に関する’ Jeopardy’ のゲームです。英語での質問に主語・動詞のあるきちんとした英語で答えてはじめてグループにポイントが加算されます。右側の写真の質問には I think he is  years old. と答えねばなりません。
この授業は普段よりも盛り上がりましたが , それは英語の授業でゲームをするから楽しい ! というよりも, 「英語を喋った」という実感を持てたから楽しいのでは, と感じています。英語教育を取り巻く環境も大いに変化してきました。ペアで話をする授業, 発表をする授業, ipad を使ってオンラインで英会話の授業もできたり…

翻訳ソフトなど, 機械を使ってできることが増えれば増えるほどに, 今度は人間が英語出来なくてもいいじゃない, という声も聞こえてきそうですが… 大学の頃に言語学を専攻していたのですが, そのときの担当の教授は, 「技術がどれだけ進歩しても, 翻訳こんにゃくは夢でしかない!」と言い切りました。実にくだらない話ですが, 東京方言の「おれ」と鹿児島弁の「おい」は,音は似て聞こえますが, 東京のマクドナルドでA 君が「ビッグマックを一つ!」と言った後に鹿児島出身のB 君が「おいも」といったら間違いなくビッグマックではなくフライドポテトが来ると思います。 また, 英語も, 公用語とする国でそれぞれ違った英語を話しています。パキスタンでは’ ?’ がついても語尾が下がる場合がほとんどだそうです。
こういった違いを瞬時に機械が判別できるようになるよりは, 言語の外にある表情や文脈など, ノンバーバルな部分を人間が判別する方がよっぽど現実的です。
やっぱり, 言語の学習は人間がしないといけませんね。

というわけで, みなさんの今後の英語学習でのさらなる飛躍を期待しています。

【この記事を書いたひと】

迫田 翔一 (文理科1年担任 / 英語科)

好きな楽器:ギター
好きなレジャー:釣り
趣味:娘を溺愛すること

34歳。眼鏡。眼鏡歴は28年。 ただの暗記や
翻訳の勉強にならないような, 活動的な英語の
授業を日々実践している。
学生時代はバンドを組んでいた。