2022年12月26日
尾植 香織

「より良い社会を創り世の中の人々を幸せにできる人材を送り出したい。」
「それを成し遂げる力を、職員同士、大切な話ができる関係性を大事にしながら、協働して高めていきたい。」
そんな思いを抱きながら、生徒が帰ったあとの職員室でこれからの「れいめい」について雑談していたら、「こんな本がありますよ。」と勧められた。
『学習する学校』
「厚い!」
まず、その分厚さに度肝を抜かれた。その見た目のインパクトからして、きっとこの本には私が求めている答えが詰まっているに違いないと確信し、即購入。圧倒的な存在感を放ちながら、職員室の私の机上に積まれたままその本のページはめくられることなく2年が過ぎていった。
2022年、ABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ)という読書法に出会った。一冊の本を分担して読み、まとめを作ってその内容を共有、対話(ダイアローグ)を通して、深い理解と能動的な学びを目的とした読書法である。
「このやり方でなら読める!しかも、1人で読むより時間が短縮されるだけでなく、その本の内容を共通言語として会話が続いていくということが何より魅力的だ!」
ということで、放課後都合のつく職員同士が集まり、厚さ4.5センチ、900ページ弱にも及ぶ大作に挑む読書会がスタートした。これまで当たり前だと思っていた教育のあり方について考えさせられ反省会モードになったり、そもそもなぜ教員になったのかといった同僚の話に聞き入ったり、日々の業務に追われる中ではできない会話が1冊の本を介して語られていく。そんな豊かな時間を通して、子ども達の近くにいる大人はご機嫌でいたほうがいいとつくづく実感した。
初回で読めたのは全体の1/10程度。続きを読むのが楽しみだ。
【この記事を書いたひと】
尾植 香織(教頭/ 数学科)
好きな炭水化物:塩むすび( 炊き立て)
好きな炭水化物:餃子、パフェ
趣味:ランニング、草むしり、読書
一日10キロは走らないと気が済まない
ランニングの化身。座右の銘は「足るを知る」、
座右の書は「子どもへのまなざし」(佐々木正美)
